【米国株投資】ゲノム編集で新しい治療をつくる注目の4銘柄

株式投資

皆さんはゲノム編集という言葉を聞いたことがありますでしょうか?2020年にノーベル化学賞を受賞した技術であり、今後の医療や農業などの発展に大きな影響を与える可能性を秘めている技術です。今回はゲノム編集を応用した新しい治療の開発に取り組む注目の4銘柄を比較してみたいと思います。

ゆうさん
ゆうさん

そもそもゲノムとは何ぞや?

ゲノム編集とは

そもそもゲノムとは

私たち人間を含むすべての生物の体はたくさんの細胞でできています。これらの一つ一つの細胞を作り出すのに必要な情報が遺伝子です。人間には約20000以上の遺伝子があると言われており、ゲノムとは遺伝子のすべての情報のことを意味しています。また遺伝子はDNAという物質でできているため、ゲノム編集とは簡単に言えば、このDNAを編集する(別のDNAに変えるなど)技術のことです。このような技術は古くから研究されていましたが、2020年にCRISPR/Cas9というゲノム編集技術がノーベル化学賞を受賞したことをきっかけに話題になりました。

なぜゲノムを編集するのか

ゲノムにはその生物の個性を決める情報がたくさん含まれています。例えば、背が高い人と低い人、目が黒い人と青い人などです。しかしこれらの個性はときに、健康な人と重い病気を発症する人という違いを生むことがあります。そしてこのようなゲノムの違いによって発症する病気のほとんどは難病といわれる病気であり、従来の薬では治すことができない場合が多いです。そこでゲノム編集技術を用いて病気の原因になっているゲノムを変えことでこれらの難病を治療することが期待されています。

ゲノム編集を用いた治療を開発する銘柄

ゲノム編集技術は、難病の新しい治療方法として非常に期待されている技術です。ゲノム編集を用いた治療の開発に取り組んでいる4つの銘柄を紹介します。

インテリア・セラピューティクス(NTLA)

2014年にアメリカで設立された企業です。2020年にゲノム編集でノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナ氏(カリフォルニア大学)が共同設立者となっています。同社はリジェネロンという製薬企業と共同でCRISPR/Cas9によるゲノム編集技術を用いた治療の臨床試験を実施しており、2021年6月にATTRアミロイドーシスという疾患に対して良好な結果を報告しています。この報告を受けて同社の株価は2倍近く上昇しました。

CRISPRセラピューティクス(CRSP)

ジェニファー・ダウドナ氏と共同でノーベル化学賞を受賞したエマニュエル・シャルパンティエ氏(マックスプランク研究所)によって、2013年にスイスで設立されました(米国株式市場で取引可)。同社は大細胞型B細胞性リンパ腫という疾患に対して、CRISPR/Cas9でゲノム編集した細胞を用いた治療の第一相臨床試験を実施しており、2021年10月には同治験で良好な結果が得られたことをプレスリリースしました。

エディタス・メディシン(EDIT)

ブロード研究所のフェン・チャン氏の技術に基づき、2013年にアメリカで設立した企業です。同社はレーバー先天黒内障という疾患に対して、ゲノム編集技術を用いた治療の初期臨床試験を実施しています。2021年9月に同治験で良好な結果が得られたことをプレスリリースしました。

ビーム・セラピューティクス(BEAM)

ハーバード大学のデイビッド・R・リウ氏がフェン・チャン氏とともに、2017年にアメリカで設立した企業です。網膜や血液、肝臓の疾患やがんなどを対象にゲノム編集を用いた治療の研究を行っています。まだ初期臨床試験を実施している治療薬はありません。

各社の株価の動向

次に2020年から現在までの各社の株価の上昇率を比較してみました。

2020年末あたりから各社の株価が上昇しています。特にインテリア・セラピューティクス(NTLA)は2021年6月の臨床試験の結果に関するプレスリリースを受けて、株価が大きく上昇しています。

治療薬の開発状況

各社のホームページから現在開発中の治療薬(パイプライン)の状況を調べてみました。

  研究段階 治験届け出 初期臨床試験 後期臨床試験
インテリア・セラピューティクス(NTLA) 5件 4件
CRISPRセラピューティクス(CRSP) 4件 1件 4件
エディタス・メディシン(EDIT) 5件 1件 2件
ビーム・セラピューティクス(BEAM) 9件 2件

医薬品は一般的に、研究→治験届け出→初期臨床試験→後期臨床試験→上市という流れになります。まだ4社とも上市した治療薬や後期臨床試験中の治療薬はありません。インテリア・セラピューティクス、CRISPRセラピューティクスが初期臨床試験を4件実施しており、インテリア・セラピューティクスは最も早く臨床試験の結果をプレスリリースしました。またエディタス・メディシンも2件の初期臨床試験を実施しています。ビーム・セラピューティクスは他3社と比べて設立年が新しいため、まだ臨床試験は実施されていません。

ゲノム編集銘柄の懸念点

ゲノム編集による治療を開発する銘柄に投資をする際に懸念すべき点としては特許係争が挙げられます。ジェニファー・ダウドナ氏が所属するカリフォルニア大学とフェン・チャン氏が所属するブロード研究所は、どちらも2012年ごろにCRISPR/Cas9によるゲノム編集技術の基本特許を出願しており、これらの特許に関して現在も対立が続いています。特許係争の結果は両者が関連する企業のビジネスにも影響するリスクがありますので、投資家はこれらの特許係争の動向を注意深くチェックする必要があります。

まとめ

ゲノム編集技術は、従来の治療では治すことができなかった難病に対して、新しい治療法となり得る可能性があり、非常に期待されている技術です。そしていくつかの企業では既に臨床試験が進行しており、良好な結果が報告されつつあります。ゲノム編集技術に関するさらなる技術開発の動向や、関連する特許の係争の結末など、今後も目が離せない分野となりそうです。

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